近年、蘇生技術の進歩に伴い、多数の人々が死の瀬戸際から息を吹き返しています。ほとんどの人々はこのときの記憶を失ってしまいます。しかし、約20%の人々はそのときの模様を記憶しています。その体験談は驚くべきものです。彼らは自分の体から抜け出し、空中に浮揚して、自分自身や病室のできごとを見下ろしていたというのです。
英国人のエリザベスさんは次のような体験談を語ってくれました。「私は病室の天井に位置していました。そこから私を救おうとしている人々を見下ろしていたのです。生き返ったあと、私は看護婦さんにそのとき耳にした会話の内容を伝えました。夜会服を着て蝶ネクタイを締めた医師のこともお話しました。看護婦さんは私の話に驚きを隠せませんでした。その医師は重要な晩餐会の席から呼び出されたのだそうです。」自分の体を抜け出したあと、エリザベスさんは見知らぬ場所に向かったそうです。そこでは平和と愛に包まれ、幸せな気分だったそうです。
クリスティーンさんは次のように語ります。「私は天井にいて、下を見下ろしていました。看護婦さんが私の世話をしているのが見えました。そのあと、私はトンネルのようなものを通り抜けていきました。すべてがとても明るかったです。突如として男性の声が聞こえました。彼は元きた場所に戻るよう、私にうながしたのです。」
同じような体験をしている人々は他にも大勢います。臨死体験のあと、多くの人々は死の恐怖から解放されるようです。それでは、人が臨死体験をしている最中、実際には何が起こっているのでしょう? 意識が体から抜け出すなどということが本当にありえるのでしょうか? 懐疑論者はこれらの体験を幻覚だと決めつけます。脳の酸素が欠乏した結果、脳の活動に異常が生じたというのです。
先日、私はある医学関係の会議に参加しました。その際、オランダの著名な心臓学者であるピム・ヴァン・ロメル博士の講義を拝聴する機会を得ました。博士の話は驚くべきものでした。心臓手術の最中は故意に鼓動が止められます。そのため、同博士は、手術中の患者に何が起こっているのか研究を重ねているのです。鼓動が止まってから15秒以内に脳細胞の活動が停止します。脳の活動が止まったのですから、その患者は医学的に死亡したことになります。このような患者は5分以内に蘇生させなければなりません。手術が終わった後、何人かの患者がそのときの模様を鮮明に思い出したといいます。脳が一切活動していないときでも、意識はハッキリしていたのです。一般の科学的見解によれば、とうてい不可能なことです。それでもなお、そんな現象が実際に起こったのです。